東京を拠点に活動するロックバンド「THE TOKYO」の1stフルアルバム「J.U.M.P.」が完成した。THE TOKYOのサウンドは日本のロック、フォーク、ブルース、歌謡曲という<昭和音楽>のフレイヴァーを染み込ませながらも、<令和>に鮮度高くアウトプットしている。ただの懐メロ風で結ぶのではなく、どこか新しさを感じさせるのだ。キャッチコピーにある<懐かしいのに、なんか新しい。>は、的を得た表現だと思う。
また、個人的にはHawaiian6と共通する部分もあると感じている。Hawaiian6は昭和の、土着的なメロディーをメロディックパンクに乗せるという、一見相対する要素を絶妙に融合させた。そして、既に解散してしまっているが、THE BACILLUS BRAINS(日本脳炎)が放っていた楽曲の臭いもどこか感じさせる。THE BACILLUS BRAINSは、めんたいロックなど昭和のロックをハードコアバンドのメンバーが搔き鳴らす事で独自の世界観を確立していた。Hawaiian6もTHE BACILLUS BRAINSも、土着的な要素を取り入れつつも、全くもって古臭く無いのだ。アプローチの仕方は異なるが、THE TOKYOもそれと通ずる印象を受ける。加えて、THE TOKYOは10代の頃に2000年代のメロディックパンク、ミクスチャー、オルタナティヴをリアルタイムで通過している事も大きいのではないか。そのバックボーンがあるからこそ、THE TOKYOは<懐かしいのに、なんか新しい。>なのかもしれない。
さて、「J.U.M.P.」に収録されている13曲に目を向けてみよう。2枚のミニアルバムから「ROCK ROCK ROCK」「落陽」「アンラッキーエンジェル」「俺たちのグッドバイ」「雨街BLUES」の5 曲を再録。既にライブではプレイされていていずれも高い人気を誇る「フラストレーションガール」「ダンシングブルース」「ア・イ・シ・テ・ル」「青い春」「女神と待ち合わせ」が初音源化。昨年リリースされた配信限定ナンバー「気ままにグッドラック」「SAYING」の2 曲はリマスタリングが施されている。そして、完全なる新曲であり、THE TOKYOの新たなる名曲「恋(エレジー)」。本作は、THE TOKYOのこれまでのベスト・アルバムであり、バンドにとっても、そしてリスナーにとっても、次に進むためのアルバムとなっている。
閉塞感が渦巻く日常。生活様式の見直し。そして音楽業界、ライブハウス、ロックバンドを取り巻く状況も未だ厳しい。まだまだ長い戦いを強いられるだろう。それでも、ロックバンドは転がり続けるのだ。そんな中で「J.U.M.P.」は制作され、完成後にメンバー2名が脱退した。だがこうして9月9日、THE TOKYOの1stフルアルバム「J.U.M.P.」がリリースされる。そう、THE TOKYOも転がり続ける のだ。1stフルアルバムは<始まり>である。いまようやくTHE TOKYOは、本当の意味でのスタートラインに立ったのかもしれない。まだまだこれから。その<始まり>の鐘を高らかに打ち鳴らすかのような「J.U.M.P.」は、彼等がどこまでも高く<ジャンプ>する事を期待せずにはいられない、極上の1stフルアルバムとなっている。
跳べ!THE TOKYO!
text by 近藤誠司
-
FM FUKUOKA「Hyper Night Program GOW!!」
10月度マンスリーゲスト出演 -
ラジオ日本「加藤裕介の横浜ポップJ」コダマアツシ&こだまたいちゲスト生出演
-
ZIP-FM「FIND OUT」コダマアツシ・コメントOA
-
MID-FM「RADIO”ROCK UP!!”」コダマアツシ・コメントOA
-
BS日テレ「イマウタ Right On! Music」番組内でTHE TOKYOが紹介されます
-
テレビ東京「音流〜ONRYU〜」コダマアツシ&こだまたいちゲスト出演
-
PUNK ROCK ISSUE「Bollocks No.051」4Pインタビュー掲載
-
「MEN’S NON-NO」インタビュー掲載
-
「Rooftop」インタビュー掲載
-
「Mikiki」インタビュー掲載
-
渋谷・札幌 CMスポットOA
-
大阪・福岡 CMスポットOA
- ※無観客有料生配信ライブとなります。会場へのご来場はお控え下さい。
- ※アーカイブ動画は10/1(木)23:59まで視聴可能。
配信チケットは10/1(木)21:00まで販売。
- 坂詰克彦(怒髪天)
中村“Mr.Mondo”匠(THE NEATBEATS)
茂木左(myeahns)
- ビートりょう(THE BOHEMIANS)
熊田州吾(THE THROTTLE)